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レポート

【アスリートレポート】竹谷賢二選手
第29回全日本トライアスロン宮古島大会

リザルト

総合17位 40−44歳男子 2位
総合記録 8:19:59
バイクラップ(第一ラン込) 4:38:50 3位 / ランラップ 3:41:09 80位


朝4時前に興奮交じりとともに起床して、朝食を済ませてスタート会場へ。緊張感は心地よく、体調も良好。SHIVチャレンジチームのCHAKOさんと冗談交じりの会話もしつつ、スタート前の準備をすませます。
メイストーム大西さんの手によりウエットスーツをバッチリ着合わせてもらい、これでスイムが速くなると喜び勇んで、トランジッションの荷物を預けて準備万端でスイムスタートエリアへと向かいました。

しかし、昨晩から強風波浪注意報が出ていて、状況はあまり好転せず結局、スイム中止でデュアスロンへと変更になりました。
誰しも泳ぎたいのは当然ですが、事故を未然に防ぐための措置としては致し方なしと、気持ちを切り替えていきます。前日に、パワーバー直線対策セッションで気持ちよく泳げたからいいか、と自分も前向きに捉えるようにしました。また、相対的にスイムの苦手な自分にはプラスになり、第一ランの遅れを最小限に抑えれればバイクラップを取って上位に食い込むことも出来るかもしれないと、集中しなおしました。

装備を切り替える必要がありますが、第一ラン用のシューズはホテルに置き忘れてきたので、預けた荷物からシューズを受け取ろうと思ったら、既にその取り扱いに混乱をきたしていたので、スペシャライズドのスタッフからシューズを借りて走ることにしました。普段履かないシューズでもまあなんとかなるさ、と試し走りとウォーミングアップを兼ねて軽くジョグ。そこで偶然に八尾さんとお会いして、デュアスロンのペース配分のコツを聞きました。
ペースは抑えていくこと、脚の筋肉の張ってバイクに影響したり、運動強度が高くなりすぎてそれ以降の負担が大きいというアドバイスを頂き、それを踏まえて焦らずマイペースでいこうと決めました。

目標設定は、スイム0:55、バイク4:05、ラン3:30、トータル8:30で20位以内でした。スイムがランになった分時間は短くなることでしょうが、どこまで自己目標に近づけるか、またIMケアンズに向けた課題抽出としても、現状ベストを尽くしたいところです。

第一ランパート 6.7km

バイクの得意な自分はそこでのベストタイムを狙い攻めていく(もちろんトライアスロンだから、フルマラソンを考慮した上での最高ペース)のが、良いレースのために必須です。バイクでの追い越しの際とエイドでの減速の落車などの障害、そこでのタイムロスを少なくするためには、なるべくよい順位でバイクにトランジットしたいところです。
スタート位置は程々遠慮しつつも、周りの選手がどんなペースで走るのか分からないのですが、なるべく前に並ぶようにしました。心地よい緊張感の中、初めてのロングデュアスロンがスタート!

無理なく抑えて、とは言え、遅れは最小限に、と思いつつ、直後は周りにつられて少しペースは速めっぽく入りました。苦しいと感じる手前でバラけ始めたので、ややキツイと思うペースで走ります、
体感的には概ね4分15秒、フルマラソンレースペースぐらいでしょうか。

中盤にはだんだんペースが安定して集団が形成されてきたので、そこで一定ペースで走りました。
風が強く、なるべく速い方の後ろにつかせてもらうようにするが、追い越していく速い選手に付いて行きジャンプアップを図るもちぎられたりをしつつ、後半には良いペースの5人くらいの小集団が出来上がりました。そこには藤原裕司さんがいて、嬉しくなりました。自分がトライスロン・ジャパンを熱心に読んでいた90年代前半にはトップ選手として活躍、紙面でいつも取り上げられていた憧れの方ですから、こうして一緒に走れる日が来るなんてと感慨深かったです。

トランジッションエリアに入ると、まだまだ手際の悪い自分は周りの選手の動向をトレースしながら、追従していきます。スイムエリアのラックからバッグをピックアップし走り、バイクエリアに入る前にランシューズを脱いでバッグに入れ預けてさらに走って、SHIVの元に駆け寄ります。

バイクパート

ヘルメットを被り、バイクを押して乗車ラインを越えたらすぐさまバイクに飛び乗ります。シューズはトライアスロン用のS-Worksトライヴェントを愛用しているので、ペダルに装着したままに簡単に履けます。少し漕いで速度に乗せてバイクが安定してからダイヤルを回してホールドを高めてから、おもむろに加速していきました。

ここからは自分の見せ場!とばかりに、気持ちを高めて、SHIVを走らせます。ギャラリーも多く気分が高まります。オーバーペースに気をつけるために、POLAR KEOパワーを活用してました。
トレーニングで得られたデータからランに影響のない300wを上限として、追い越しの時でも上り坂でも30秒以上超えないように心がけました。脚で感じる主観的なパワーも概ね分かりますが、メーターをあえて見ることで冷静さを保つという意味合いもあります。

前半はついついアドレナリンの誘惑に負けてテンションマックスで行ってしまうのを避けなければなりませんし、逆に中盤から後半にかけては中だるみを避けるために250wを下回らないように努力目標としても活用ました。結果的に、レース後のパワーデータをみるとそれでもすこしオーバー気味にかけていた瞬間もあります。全体のパワー推移は良かったのですが、もう少し入りを抑えたほうがよかったかもしれません

強風という条件下での走行になるので、優先すべきはパワーよりもバイクコントロール、安全かつ横風でブレないように心がけます。そしてスピード、向かい風では姿勢を低く一定に保ちつつ、エアロバーを強く握りしめないようにリラックスを心がけるますし、追い風では速やかにトップスピードに乗せることを意識しました。これに細かなアップダウンがくり返されるので、上りでは速度を活かして、一定のリズムとパワーでシフトダウンのタイミングを狙うことで一気に登り切るようにすると体力負担少なくスピードを得られます。追い風のときは登り切る瞬間にはダンシングを入れて加速してから、エアロフォームに移ること素早く速度に乗せて、向かい風の上りではシッティングでやり過ごすと風の抵抗も考慮した上で実践します。向かい風の下りではバイクの安定のために少しケイデンスを低くして、グーッとトルクを掛けたり、追い風の下りでは逆にギアが回りきって不安定になる時があったので、そこでは脚を休めるなどのメリハリもつけました。

レースではテクニックを駆使視して、なるべく低いパワー、体の負担で、できるだけスピードを得るかという工夫をして、トレーニングではできるだけ高いパワーを出す努力をする、というある意味反対のアプローチが必要になるのです。」

そんなセルフコントロールをしながら、強風の中でも軽快にSHIVを走らせ、ドンドン前走者を追い越していきます。中心街に入るまでに数十人をドンドン抜いていき、そこから池間に向かっては少し間隔が開きながらも視界の先に走る選手を一人、また一人と抜き去っていきます。
厳しい向かい風の中、池間大橋に到達すると、橋の上は激しい斜め横風になり、バイクを安定させるのが一苦労です。さすがにバトンホイールの自分は前輪がとられるので橋の継ぎ目での風の変化で横に持っていかれるので、ベースバーを保持してできるだけ低い姿勢を保ちます。ロードバイクのドロップをもつイメージというとわかりやすいでしょうか。

池間島を回る間に、強豪選手を抜いていくようになり、大分順位が上がっていることが想像できました。池間大橋からの戻りは追い風でガンガンスピードに乗ります。平坦でも50km/h超を維持して走る区間もありますが、さすがにトップのギア比が足りなくて休みつつバランスをとってスピードを維持するに止めます。

小刻みなアップダウンが延々と続きますが、追い風区間ではスピードを殺さぬように、ギアチェンジをしてケイデンスを合わせていけば、数漕ぎで乗り越えて行けます。ここでは、体の緊張を解いてリフレッシュするために、登り切るときにダンシングもいれました。がんばるというよりも、体重を利用した休みつつ巡航するダンシングです。背中や肩のストレッチにもなり気持ちが良いものです。

東平安名崎までにかなりの選手を抜きました。途中でLUMINA応援団の声援を受けて元気をもらうと共に、11位と現在の順位を聞きます。かなり抜いてきた感じがあるのにまだ11位、みんな速いなぁと思いつつ、自分の一つの目標である松丸選手を追う。松丸選手は、2007年まで一緒のスポンサーでイベントなどを一緒に過ごし、バイク能力の極めて高いアスリートだと知っているので、トライアスロンを始めたら、いつか一緒に走りたいなぁと思っていたのでした。
東平安名崎までも10、9、8、7と一人抜くたびにカウントダウンをしていきました。松丸選手を確認できたのは、灯台の岬往復路でした。外国選手3人、そして松丸選手、とすれ違い位置からタイム差を推測すると、3〜4分差くらいでしょうか。100kmまでに追いつけるかも、と思いペースを保ちます。

しかし、この岬往復道路の風もめちゃめちゃ強かった!前輪バトンな自分はホイールがねじれるかと思うほど横風にあおられて、立て直すのに一苦労でした。コナも風が強かったのですがアベレージ的に均一に強かったのにたいして、このような瞬間的な強風度合い、追い風向かい風の差は宮古島のほうが強烈でしたね。

そこから来間島までのコーナーの続くワインディングでは楽しく走り、60km/h超の下りもあり気持ちよくペースを保ちます。が、その後右折してからの激坂は強烈でした。370wかけても15kmしかでない坂で、もちろんインナーにしました。しかし、ここにも盛大な応援を繰り広げてくれていてい感じに走り抜け、前方松丸選手と30秒くらいの差とのこと。
来間大橋ではいよいよ松丸選手との差が詰まって目前に迫ります。橋を抜け、東急リゾート付近で松丸選手に追いつき、追い越しました。ここまでの選手は見えたと思ったらすぐに追いつけていたのですが、松丸選手は背中が見えてからなかなか追いつけなかったので流石に速い。バイクが日本人で一番強いと評されるわけです。これで4位まで上がりました。

1周回105km終えて残すは50km、しっかりと羊羹など補給も摂取します。しかし、自分では確実に摂っていたと思っていた補給も実際は足りなかったことが、約4時間後に身をもって3位の選手との差はわりと大きいのか存在が全く感じられません。目先の目標がないとモチベーションが下がって向かい風の中でペースもマッタリしがちなので、ペダリングセクションでは250wを下回らないように一定ペースを保つようにしました。力を抜いてリラックスを心がけ、気持ちよいと感じられるリズムを刻むことに集中します。辛いと思ったら、本当に辛くなってしまうので、脚の動き、フォームの安定に意識を向けました。
そして2度目の池間大橋では遠くに3位の選手を目視できました。おお!ここでまたヤル気スイッチが入ります。そして島に入っての短い上りで追いつき、追い越しました。先頭外国選手3人パックで走っていたことで、オーバーペースでいったのかもしれませんね。さも辛そうな感じでした。

池間が終わればあとは追い風で戻れるはずと、パワージェルなども摂り、気持ちよく残りの距離を消化して行きます。残りが20km、10kmと減るたびに安堵とともに嬉しくなりました。残り3km程度、5分間くらいはバイクに備えて少しリラックスしてランの準備をしてトランジッションに向かいました。

ランパート

トランジッション2では下見もしていなかったので導線が分からずに少し右往左往してしまいました。バイクはどこに?ギアバックはどこ?袋が固く縛られ開かない!必要ないのに更衣室に入っちゃった(それも開いていないし)と、ロスもありましたが、まぁ、ランはマイペースに徹して、多くの選手に抜かれる覚悟が出来ていたので、苦笑しながら駆け出しました。
バイクでも都度都度とっていたトップスピードとオリゴノールをすぐのフィードで水をもらって流し込みます。さらに、最初のトイレ表示の出ていたガソリンスタンドで用も足して、準備万端。マイペースに乗せていきます。想定していた3時間30分で上がるためには、キロ5分弱を維持と決めていて、前半は快調でした。風が強くバイザーがあおられるので、エイドの少年にお礼代わりに被せてプレゼントしました、喜んでくれたかな。
街中を抜けて、郊外に進みます。おもったよりもアップダウンが繰り返されるコースで上りも下りも一定負荷で走るのは難しいコースで、タイムは想定よりも少しかかってしまうだろうと考え、自分の走ったアイアンマン、セントジョージとコナもアップダウンがあったので、きついけど飽きずにいいやとも思いました。
この頃、フラスコに入れたパワージェルがやけに美味しく感じられて、グビグビ飲んでしまっていました。後方からは池間で抜いた選手が辛そうながらも抜いていきます。この先、歩いてしまっていたので、体調不良かバイクのオーバーペースがたたってしまったのか。そして松丸選手も快調に抜いていきます。ランも力強く流石!と思い、頑張れ!と応援して、あっという間に遠ざかる背中を見送ります。そして河原選手の軽快なランスピードは圧巻でした!音もなく近づき、おお!思うまに一気に離れていきます。時速5kmくらいの差があるのではないか、バイクの速度差のような体感です。
その後も、予定通りどんどん抜かれていきます。自分が走れていないのでは、と思うほどに皆さん圧倒的な速度差で抜いていきます。めったにない機会ですから、トップ選手のレースを観察する良い機会ですから、なるべく多くの選手を記憶に残せるようにします。谷選手と藤原選手に抜かれたときは、直線の長いスパンで背中を、走り方をみることが出来ました。皆さんそれぞれ、百人百様といっていいいほど、走り方が違います。見た目の違い、腕の振り方、足の運び、ほんとうにそれぞれなんですね。でも真ん中がぶれていない、腰が落ちていない、など姿勢に関しては共通項もありそうでした。末端は自由で、真ん中が大事なんだな、などど思いつつ折り返しまでは軽快に走りれました。ここまで10位と上出来でしたが、しかし、ここからが大変辛い復路が待っていたのでした。

フラスコに入れたパワージェルx4で走りきれるはずだったのに、それは往路だけですでに飲みきってしまっています。そして足取りは重くなってきますし、なにより集中力が切れ始め、視界が狭く、軽くチカチカしてきました。やばい、エネルギー切れだ…
急坂では気持ちは走っていても歩く程度の速度しか出ません。西内選手、続けて数人に抜かれてしまいますが、もう他人を気にする余裕もありませんでした。このままではゴールすら危うい状況に陥ったのです。フラフラで応援にはもはや苦笑い程度の反応しか出来ませんが、それでも前に進んでいくとエイドが見えます。おお、とそこまでなんとか辿り着きます。とても多くの品揃えがある中から、エネルギーになりそうなものを見渡し探します。そこには、黒く光り輝く黒糖がありました。これだ!とわしづかみにして、コーラで流し込みます。おおお!と精気が湧き出てきます。
ヨシっと走り出すとペースも幾分上がりこれならばゴールが出来そうだ、と一安心しました。すると順位を気にする余裕が出てきました。さっき何人に抜かれたっけか、13位くらいかなぁ、往路で7人に抜かれたから復路で7人に抜かれたら17位か、当初の目標順位20位は達成できそうだから、このままいきたい、と思って走り続けます。復路は折り返しに向かう多くのアスリートとすれ違っていきますので、知り合いのアスリートも増えてきたこともあり、お互いに応援の声を掛け合いながら進んでいけるのでとても励みになりました。
しかし、またエネルギーの低下がやってきました。視界が狭くなり、ペースを保つのが難しくなります。そこでエイドの黒糖コーラでしのぎ復活、結局ゴールまでのエイドで救われつつペースの上げ下げもありながらもどんどん街に近づいていけました。30km前後の区間は個人的に一番きつかったです。すれ違うアスリートも減り、後続から数名に抜かれ、力を全く感じられませんでした。
が、そのあと街に入るところで、応援団が盛り上げてくれて笑顔回復、35kmを越えてカウントダウンしていけると嬉しくなりました。ペースは残り5kmの中心街通過の頃にようやく上がった感じがしました、ゴールまでは上り基調ですが気持ち盛り上げて絶対速度は低いながらもラストスパート。
陸上競技場が見えたときには、ふぅぅとほっとして、トラックに入ったらおおおっと嬉しさがこみ上げ、応援の皆さんの待っていてくれるゴールへ!
ラインをくぐると開放感から疲れがどーっと押し寄せてきますが、合わせて湧き上がる達成感、充実感は何度味わってもいいものです。この瞬間を知っているからこそ、またそれを求めて長い道のりに挑むのことでしょう。

竹谷賢二


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